遺産分割前に不動産売却できる?具体的な手順と注意点も解説

2026-09-15

遺産分割前に不動産売却できる?具体的な手順と注意点も解説

この記事のハイライト
●遺産分割前の相続不動産は共有財産となるため売却するには相続人全員の同意と共同相続登記が必要
●売却手順は戸籍を集めて相続人を確定し代表者を選任した上で売却代金をルールに沿って公平に分配する
●トラブルを防ぐため事前に遺言書の有無を確認し単独登記は避け全員で売却条件の合意書を作成する

遺産分割協議が終わっていない段階で、相続した実家などの不動産を早く売却して現金化できないかとお悩みではありませんか。
相続人同士での話し合いが長引く中、誰も住まない空き家をそのまま放置してしまうと、固定資産税などの維持費や建物を管理する手間ばかりがかかり続けるため、一刻も早く手放したいと考えるのは当然のことです。
本記事では、遺産分割前に不動産を売却する法的な可否をはじめ、相続人全員で協力して安全に売却手続きを進めるための具体的な手順や、後悔しないためのトラブル防止策について解説します。
遺産分割前における相続不動産の適切な取り扱い方法やスムーズな売却の流れを知りたい方は、ぜひご参考になさってくださいね。

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遺産分割前でも相続不動産の売却は可能か?

 遺産分割前でも相続不動産の売却は可能か?

遺産分割前の不動産売却の前提条件には、主に法的なルールや実務上の決まりがあります。
まずは、遺産分割前に売却できるのかという疑問と、法的なルールについて解説していきます。

遺産から除外される原則

遺産分割協議がまとまる前の不動産は、民法上、相続人全員が法定相続分に応じた持分を持つ共有財産として扱われます。
協議前に第三者へ売却すると、不動産そのものは原則として遺産分割の対象から外れます。
ただし、相続人全員が同意すれば、売却した財産を分割の対象に含め、残った遺産とあわせて調整することも可能です。
一部の相続人が処分した場合も、一定の条件を満たせば処分された財産を遺産分割の対象に含めて調整できます。
そのため、売却を進める前に、代金をどのように分けるのかまで全員で確認しておくことが大切です。

全員の同意が必要な理由

相続不動産全体の売却は、共有物を処分する重要な行為にあたるため、持分の割合に関わらず相続人全員の同意が必要です。
たとえ大半の相続人が賛成していても、1人でも反対していれば不動産全体を売却することはできません。
手続きでは、売買契約書や登記委任状への署名・押印にくわえ、印鑑登録証明書などを用いて本人確認をおこないます。
遠方に住む相続人がいる場合は、郵送や司法書士による意思確認を取り入れる方法もあります。
全員の意思を丁寧に確認しておくことで、買主へ安心して所有権を移転しやすくなるでしょう。

未登記で売却する流れ

亡くなった方の名義のまま、不動産を買主へ直接移す中間省略登記は原則として認められていません。
遺産分割協議をせずに売却する場合は、戸籍などで相続人を確定したうえで、法定相続分に応じた共同相続登記をおこないます。
登記が完了したら、相続人全員を売主として売買契約を結び、決済と同時に買主への所有権移転登記を申請します。
なお、2024年4月1日から相続登記は義務化されており、原則として一定の期限内に申請する必要があるため注意が必要です。
売却を急ぐ場合でも、相続登記を省略せず順序どおりに進めることが重要です。

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遺産分割前に相続不動産を売却する基本手順

 遺産分割前に相続不動産を売却する基本手順

前章では法的な前提条件やルールについて述べましたが、実際にはどのような流れで進めるのか気になりますよね。
ここでは、遺産分割前に相続不動産を売却する具体的な手順について解説します。

相続人確定とリスト作成

売却の第一歩は、誰が相続人にあたるのかを確定し、書類で証明できる状態を整えることです。
まず、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍などを集めます。
あわせて、法定相続人の戸籍謄本や住民票、印鑑登録証明書など、登記や売却に必要な書類も準備しましょう。
転籍が多い場合でも、広域交付の対象となる戸籍証明書等は1か所の市区町村窓口でまとめて請求できるため、対象外となる戸籍の有無も含めて早めに確認しておくと手続きが滞りにくくなります。
必要に応じて法定相続情報一覧図を作成し、法務局で認証を受けておけば、登記や金融機関での相続手続きも進めやすくなります。

代表者を選任するメリット

相続人が多い場合、全員が不動産会社や買主との連絡に対応すると、日程調整や意思確認に時間がかかりやすくなります。
そこで、窓口となる代表者を決めておくと、査定結果の共有や売却条件の確認を効率よく進められます。
ただし、代表者が自由に判断できる範囲を曖昧にすると、後から認識の違いが生じる可能性があるため注意しましょう。
そのため、最低売却価格や任せる手続き、委任期間などを委任状に明記しておくことが大切です。
活動状況をこまめに共有する仕組みも作れば、相続人全員が納得しながら売却を進めやすくなるでしょう。

売却代金の分配と精算

売却後に受け取った代金は、事前に合意した分配方法に沿って相続人へ精算します。
分配の基準は売却価格そのものではなく、仲介手数料や登記費用、測量費、解体費などを差し引いた手取り額で考えるのが一般的です。
代表者が代金を受け取る場合は、費用と残額を1円単位で確認できる精算書を作成し、全員に内容を共有しましょう。
各相続人への送金は、記録が残る銀行振込を利用すると後から確認しやすくなります。
売却前に分配割合や費用負担を合意書へまとめておけば、決済後の精算もスムーズに進められます。

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遺産分割前売却のトラブルを防ぐ主な注意点

 遺産分割前売却のトラブルを防ぐ主な注意点

ここまで売却の前提や手順を解説しましたが、後悔しないための注意点もしっかりとおさえておきましょう。
最後に、遺産分割前売却でのトラブル防止策や注意点について解説していきます。

遺言書発見時のリスク

売却手続きを進めたあとに遺言書が見つかると、想定していた相続関係が変わる可能性があります。
特定の不動産を1人に相続させる内容や、第三者への遺贈が記載されていれば、権利関係を改めて確認しなければなりません。
すでに買主へ所有権が移っている場合は、不動産を元の状態へ戻すことが難しいケースもあります。
そのため、売却前に公正証書遺言や法務局で保管されている自筆証書遺言の有無を確認することが大切です。
自宅や貸金庫なども確認し、遺言書がないことを確かめてから売却へ進むと安心です。

単独登記による紛争事例

相続人の1人は、一定の場合に他の相続人の協力がなくても法定相続分による共同相続登記を申請できます。
しかし、相続人の持分が差し押さえられたり、第三者へ売却されたりすると、見知らぬ相手との共有状態が生じる可能性があります。
第三者が共有者になると、持分の買い取りや共有物分割を求められ、売却方針の調整が複雑になりかねません。
自分の持分だけを専門業者へ売る場合も、同じように第三者が権利関係へ入る点に注意が必要です。
単独でおこなえる手続きでも、まず相続人全員で方針を共有し、足並みをそろえることが大切です。

合意書を作成する重要性

口約束だけで売却を進めると、価格や費用負担、代金の分け方について後から認識の違いが生じることがあります。
そこで、売却前に不動産の所在地や売却への同意、最低売却価格などを合意書へ具体的に記載しておきましょう。
代表者の権限、各種費用の負担割合、売却代金の分配割合や振込先も明確にしておくと安心です。
遺言書が後から見つかった場合の対応方針も、必要に応じて事前に定めておく方法があります。
完成した合意書には相続人全員が署名・押印し、関係者全員が同じ条件を確認できる状態にしておきましょう。

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まとめ

遺産分割を終えていない相続不動産であっても、相続人全員からの同意を得て共同相続登記の手続きを済ませることで売却が可能になります。
実際の売却手続きでは、戸籍を集めて相続人を確定した上で窓口となる代表者を決めると、代金の分配や精算まで円滑に進めることができます。
後から遺言書が発見されたり単独で登記されたりするトラブルを防ぐためにも、事前に確認を徹底し、全員で合意書を作成しておくと安心でしょう。
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