根抵当権付きの不動産を相続する方法は?根抵当権の抹消方法についても解説

2025-02-25

相続対策

根抵当権付きの不動産を相続する方法は?根抵当権の抹消方法についても解説

この記事のハイライト
●根抵当権とは不動産の価値に応じて設定した極度額の範囲内で担保する抵当権のこと
●根抵当権をそのまま残す場合は相続開始後6か月以内に手続きしなければならない
●根抵当権を抹消するためには金融機関の合意を得る必要がある

相続した不動産に根抵当権が付いている場合、そのまま引き継ぎたいのであれば手続きを急ぐ必要があります。
しかし、根抵当権が不要だという方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、根抵当権とはなにか、根抵当権の相続方法と手続きを急ぐ理由、また根抵当権の抹消方法について解説します。
天白区、日進市を中心に愛知県全域で根抵当権付きの不動産を相続した方は、ぜひ参考にしてみてください。

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根抵当権付きの不動産とは?相続手続きを急ぐ理由

根抵当権付きの不動産とは?相続手続きを急ぐ理由

根抵当権と聞いても、事業を営んでいない方にとっては馴染みがなく、どのようなものなのかわからない方もいらっしゃるでしょう。
そこでまずは、根抵当権とはなにか、その概要やなぜ相続手続きを急ぐ必要があるのかなど、根抵当権の概要について解説します。

根抵当権とは

根抵当権とは、不動産の担保価値を算出したうえで「極度額」を定め、その範囲内で担保する抵当権のことです。
根抵当権付きの不動産を所有している方は、極度額内であれば、借入と返済を繰り返すことができます。
根抵当権の登記は、設定したときの1回のみおこないます。
登記手続きをしなくても、極度額の範囲内で金融機関との取引を継続できるため、必要に応じてお金を借りることが可能です。
このような性質から、根抵当権は事業資金として融資を受けたい企業や経営者が所有する不動産に設定するのが一般的です。

抵当権との相違点

住宅の購入資金として金融機関から融資を受ける場合は、購入する不動産に抵当権が設定されます。
根抵当権は、この抵当権の一種ですが性質が異なります。
したがって、相続した不動産に根抵当権が付いている場合は、抵当権との違いについて理解しておくことが大切です。
2つの主な違いについて解説します。
債権
抵当権の場合、債権は担保する不動産に特定されます。
住宅ローンの契約時に返済額や返済期間を定め、借り入れたお金を完済することで抵当権は消失します。
根抵当権は、債権を特定しません。
担保する不動産の価値に応じた極度額を設定し、その範囲で借入と返済をおこなえます。
根抵当権は、残債がゼロになっても消失しません。
随伴性
随伴性とは、担保となっている不動産の所有権が移転した場合に、その不動産に設定された抵当権も一緒に移転する性質のことです。
根抵当権には随伴性がないため、不動産の所有権が移転しても、根抵当権は元の所有者に残ります。
したがって、不動産の所有者と、その不動産を担保にお金を借りる債務者が異なるケースが生じます。

相続手続きを急いだほうが良い理由

冒頭でもお伝えしたように、根抵当権付きの不動産を相続した場合は、早めに手続きをおこなわなければなりません。
その理由として、以下のことが挙げられます。
6か月を経過すると効力を失う
根抵当権は、相続開始後6か月以内に相続手続きをおこなわないと、元本が確定します。
元本が確定すると通常の抵当権として扱われ、当初に決めた極度額内での取引ができなくなります。
新たにお金を借りる場合は別途審査を受けて契約することになり、登記の手間と費用もかかるため、事業を引き継いだ方などは6か月以内に根抵当権の相続手続きをおこないましょう。
相続放棄の期限は3か月
被相続人が亡くなると、現金や預貯金、不動産といった資産だけでなく、借金などの負債もすべて相続の対象となります。
プラスの財産よりマイナスの財産が多い場合、相続放棄を選択するケースも少なくありません。
しかし、相続放棄は相続の開始から3か月以内という期限が定められています。
したがって、相続放棄を検討する場合は、早急に相続財産を確定して決断する必要があります。

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根抵当権をそのままにして不動産を相続する方法

根抵当権をそのままにして不動産を相続する方法

次に、根抵当権付きの不動産をそのまま相続する方法について解説します。
根抵当権をそのまま引き継ぎ、事業の運転資金などのために取引を続けたい場合は、以下のような流れで手続きを進めましょう。

  • 金融機関に連絡する
  • 遺産分割協議をおこなう
  • 登記手続きをおこなう

上記の流れについて、順番に解説します。

金融機関に連絡する

根抵当権を引き継ぐ場合は、金融機関が発行する書類が必要です。
相続が発生した際には、金融機関に連絡して必要書類を入手しましょう。

遺産分割協議をおこなう

相続人が複数人おり、遺言書による指定もない場合は、遺産分割協議をおこなう必要があります。
遺産分割協議とは、相続人全員が集まり、だれが、どの財産を、どのような割合で相続するかを協議することです。
根抵当権は、事業を引き継ぐ方がいれば、その方が引き継ぐケースがほとんどです。

登記手続きをおこなう

根抵当権をそのままにして不動産を相続する場合、以下の3つの登記手続きが必要になります。

  • 相続登記
  • 債務者変更登記
  • 指定債務者の合意の登記

それぞれの内容について、順番に見ていきましょう。
相続登記
不動産の所有者が変わった場合は、その名義を新しい名義人に変更する「所有権移転登記」が必要です。
相続が発生した場合は、被相続人から相続人に名義を変更します。
これを、相続登記といいます。
債務者変更登記
根抵当権の債務者も変更しなければなりません。
遺産分割協議で根抵当権を引き継ぐ相続人を決めていたとしても、いったんは相続人全員を債務者として債務者変更登記をおこないます。
指定債務者の合意の登記
最後に、金融機関と不動産の所有者が、被相続人の事業を引き継ぐ方を債務者とすることに合意する手続きをおこないます。
これを、指定債務者の合意の登記といいます。
この登記がなされると、根抵当権は、相続開始時に残っていた債務と、相続開始後に指定債務者によって生じた債務を担保することになるのです。

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相続した不動産に付いている根抵当権を抹消する方法

相続した不動産に付いている根抵当権を抹消する方法

根抵当権は、事業を営む方にとっては便利ですが、不要な方もいらっしゃいます。
そこで最後に、根抵当権の抹消方法について解説します。

根抵当権を抹消する方法

根抵当権を抹消するためには、金融機関の合意を得る必要があります。
根抵当権は、将来発生する融資金も担保するため、通常の抵当権より取引金額が大きくなります。
そのため、根抵当権の抹消になかなか合意しない金融機関もありますが、粘り強く話し合って合意を得ましょう。
金融機関の合意を得られたら、元本を確定します。
元本確定後は通常の抵当権の扱いとなり、根抵当権の効力は消失します。
債務が残っている場合はそれを完済し、抵当権抹消登記をおこなってください。

相続放棄も方法の1つ

不動産に根抵当権が付いている場合、債務が残っていることも少なくありません。
前章でも解説しましたが、相続財産とは、プラスの財産とマイナスの財産の両方です。
根抵当権によって残っている債務が、プラスの財産より大きい場合、相続自体を放棄するのも方法の1つです。
ただし、相続放棄はあとで撤回することができません。
相続放棄後に多額の預貯金が見つかったとしても、相続放棄をした方には相続する権利はないため、注意が必要です。

まとめ

相続した不動産に根抵当権が付いている場合は、そのまま放置すると、6か月後には元本が確定され、繰り返し事業資金として活用することができなくなります。
根抵当権は、事業者にとっては便利ですが、個人の方がそのまま残しておいてもメリットはほぼないため、早めに抹消したほうが良いでしょう。
不動産についても不要であれば、根抵当権を抹消したら、売却して現金化することをおすすめします。
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村上重國

資格:宅地建物取引士

愛知郡東郷町で生まれ育ち、現在は日進市に在住しております。
子供の頃から地下鉄鶴舞線と名鉄豊田線を利用することが多く、特に名古屋東部エリア(名古屋市天白区・名古屋市名東区・名古屋市緑区・日進市・長久手市・東郷町)に馴染みがありますので、エリアの特性や慣習、人気のお店や街情報など、何でもお尋ねください。

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